理系の就活生ならば1度は耳にしたことのある「学校推薦」という言葉。
しかし、実際にその制度やメリット・デメリットについてちゃんと理解している方は多くありません。
僕は学校推薦を利用して第一志望の企業から内定をもらえましたが、もちろん就活を始めたばかりの頃は推薦の制度なんてまったく理解していませんでした。
あなたは「学校推薦を使うと選考が有利に進む」という情報を聞いたことがあるかもしれませんが、何の準備もせずにただ学校推薦を使うだけでは、選考に落ちる可能性は十分にあります。
「推薦応募=100%内定」というわけでもないのが事実です。
そこで今回は、
- 学校推薦の制度やそのルールはどうなっているのか?
- 就活で学校推薦を使うメリット
- 就活で学校推薦を使うデメリット
上記についてお話しします。
この記事を読めば、学校推薦を使った就活についての理解が深まり、応募期限にあせって他の就活生に遅れをとることはなくなるでしょう。
学校推薦とは?
就職活動には、自分で企業を探して選考を受ける「自由応募」と、大学から自分を企業に推薦してもらう「推薦応募」という2種類の応募方法が存在します。
学校推薦で選考を受けた場合は自由応募よりも採用される可能性が高いですが、その一方で「推薦を使って内定をもらった企業には必ず入社しなければいけない」というデメリットもあります。
そんな学校推薦という制度で決められているのが、主に以下の4つのルール。
- 大学や学部・学科によって推薦を使える企業が違う
- 推薦枠には限りがある
- 同時に複数企業に対して推薦応募をすることはできない
- 推薦応募で内定をもらった企業には必ず入社しなければならない
そもそも“学校推薦”とは、企業側が「〇〇大学にはうちの会社の推薦枠を〇枠設けよう」といった形で設定されます。
企業によって、それぞれ好ましい大学や学部、採用したい人数も違います。
そのため、自分の入社したい企業があっても自分の学部には推薦枠がなかったり、自分の他にも志望者がいて、推薦枠からあふれてしまう可能性もあるわけです。
さらに、推薦応募でどこかの企業の選考を受けている期間は、他の企業に推薦応募をすることができません。
A社の推薦応募による選考が進んでいて、最終面接が〇月〇日
B社にも推薦応募を使いたかったが、応募期限が〇月〇日よりも前だったのでやむを得ず自由応募で選考を受ける
上記のような感じで、どこか1社の推薦応募による選考が終わるまで、他の企業には自由応募をしなければいけません。
もちろん学校推薦を使わないという選択肢も存在するので、本当に行きたいと思う企業がなければ無理に使う必要はないです。
周りの就活生に流されず、自分の意志で判断するようにしましょう。
選考を受けるのも入社するのも、あくまで自分ですからね。
就活で学校推薦を使うメリット
学校推薦は企業に対する大きな意思表示の1つとして捉えられるため、採用される可能性も高くなります。
実際に僕が内定をもらった後に人事の方から聞いた話では、僕の同期はみんな推薦応募だったそうです。
同期の人数は100人ちょっとくらいで、倍率は約14倍だったので、学校推薦なしでは僕も選考に落ちていたかもしれません。
この事実からみると、学校推薦を使うメリットが採用確率の向上だけだと思われてしまいがちですが、それ以外にもメリットは存在します。
ここからは、僕が考える学校推薦の3つのメリットについてお話ししていきますね。
選考の回数が減る
1つ目のメリットは、選考の回数が減ることです。
ここまで説明してきませんでしたが、学校推薦を使うと、多くの企業では1次選考が免除されます。
「私(就活生)は御社が第一志望です!」と言いつつ応募しているようなものなので、選考の回数が減るのも納得です。
企業によってはエントリーシートが免除される場合もありますよ。
それめっちゃ嬉しいかも!
選考において最も多くの就活生と戦うことになる一次選考をスキップできるとなると、非常に大きなメリットだと考えられますね。
選考が早く進む(内定をもらえる時期が早い)
2つ目のメリットは、選考の早さです。
選考の回数が減ることによって、推薦応募の学生は自由応募よりも早いスケジュールで選考が進みます。
自由応募の学生が一次面接をしている間に、推薦応募の学生は二次面接を受けているという状況も日常茶飯事です。
当然、最終面接も自由応募の学生より早い時期に行なわれるので、内定の通知がその分早く届きます。
僕は4月中に最終面接を終えて、ゴールデンウィーク前に第一志望の企業から内定の通知をもらうことができました。
学校推薦を使うと、3月になってすぐに最終面接が始まる企業もあります。
とある僕の友人は、僕が必死にエントリーシートを書いている3月中旬には内定をもらって就活を終えていました。ぶっちゃけ早すぎてビビります。笑
内定をもらえる時期が数ヵ月早いからといって年収に差が出るわけではありませんが、学生にとってはこれも1つのメリットですね。
就活を支援してくれる人が増える
先ほども少しお話ししましたが、学校推薦を使うということは企業への志望度が高いことを意味します。
そのためOBやリクルーター、人事の方に「推薦を出すつもりです!」とあらかじめ伝えておくと、他の就活生よりも支援してもらいやすくなります。
エントリーシートや面接対策、就活中の不安などについて相談できる人が1人でも多くいると、とても安心できますよ。
就活で学校推薦を使うデメリット
ここまでは学校推薦を使うメリットについてお話ししてきたため、
学校推薦って最高じゃん!
早く内定もらいたいし、使うしかないでしょ!
と感じているかもしれませんが、もちろんデメリットも存在します。
そこでここからは、学校推薦の3つのデメリットについて説明していきますね。
内定をもらったら必ず入社しなければならない
冒頭でも少し触れましたが、学校推薦を使って内定をもらった場合は、その内定を辞退することができません。
つまり、内定をもらったらその企業に必ず入社しなければならないのです。
もし仮に、内定をもらったあとに他の企業の方がいいなと感じても、変更することができません。
もちろん、そもそも志望度が1番高いからこそ学校推薦を使うわけですし、企業からしても、1度内定を出した学生に辞退されてしまったら採用に費やした時間や費用がムダになってしまいます。
なので、このような制度があるのは仕方がないですね。
内定をもらってから悩みすぎると気持ちが落ち込んで、「内定ブルー」といった状態に陥る可能性もあるので、推薦を使うかどうかの判断は慎重に行いましょう。
- 内定ブルーについては以下の記事でまとめているので、よければ合わせてご覧ください。
推薦を使っても落ちる可能性がある
「学校推薦を使うと選考が有利に進む」という噂は本当です。実際に僕が入社する企業の同期は、全員が推薦応募ですからね。
とはいえ、推薦を使っても落ちる可能性はあります。
それぞれの企業やその年度の倍率などにもよりますが、応募した就活生全員が受かるわけではないのは当然です。
全員が内定をもらえてしまったら“選考”の意味がないですからね。
つまり、推薦応募で選考を受けると自由応募の学生よりは有利になれますが、推薦応募の学生どうしではまた別の部分で評価されることになる、といった感じです。
推薦を取得していることを他の企業に言いづらい
学校推薦を使うということはその性質上、必然的に自分の第一志望企業が決定するということです。
いろいろな企業のOBやリクルーター、人事の方と会って話をすると、必ずと言っていいほど
「他に考えてる企業はあるの?」
「学校推薦はどの企業に使うの?」
といったことを聞かれます。
僕はそのたびに「実はすでに〇〇という企業に推薦応募をしていまして…。」と、正直に答えていました。
その結果、エントリーした4社中2社からはそれ以降連絡がこなくなってしまいました。
少し寂しい気持ちもありましたが、企業側からしたら「御社は第一志望ではありません」と言われているのと同じなので仕方がないですね。
一方で、推薦を取得していることを企業側の人間に言わないという手もあります。
僕の先輩には、すでに推薦を取得しているにも関わらず、
「まだ推薦は取得していません」
「じつはどの企業に推薦を使おうか迷っていて…。」
といった感じで嘘をついてはぐらかしていた人もいました。
その先輩の話によると、第二志望以下の企業に内定辞退を伝えるときはかなり気まずかったそうです。
僕はそうなりたくなかったので正直に話していましたが、これはあなたの好みによりますね。
あとから嘘をついていたことを伝えるのに抵抗がない方は、推薦を取得していることを隠して就活を進めるのも全然ありだと思います。
まとめ:自分の状況を把握してから推薦応募をしよう
最後に、今回の記事でお話しした内容をもう一度まとめておきます。
学校推薦を使うメリット
- 選考の回数が減る
- 選考が早く進む
- 就活を支援してくれる人が増える
学校推薦を使うデメリット
- 内定をもらったら必ず入社しなければならない
- 推薦を使っても落ちる可能性がある
- 推薦を取得していることを他の企業に言いづらい
僕は学校推薦を使って就活を終えましたが正直あまりデメリットは感じませんでした。
しかしそれは、僕自身がやりたいことや第一志望の企業に入社したいという気持ちをしっかりと定めていたからでもあります。
あなたはあなたなりの判断基準をもって、冷静に考えるべきです。
実際に選考を受けるのも入社して働くのも、あなた自身ですからね。
今回は以上です。それではまた!
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